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ひこひこさん

2018/ 10/ 20
                 



小さいとき、年上のいとこに聞いた話です

 いつぐらいの話かわからない。とある大学で、夜遅くまで
学生が残っていた。尿意をもよおしてトイレに行き、戻る途
中で何かの気配を感じた。後ろをふり返ると、黒い物体が床
の上を這っている。よく見れば、戦闘服のようなものを着た
男で、下半身がなかった。
「ぎゃあ」
と叫び、学生は逃げだした。

だが、戦闘服の男は追いかけてきた。ぺたぺたと手だけで
這っているのにやたらと速い。しかも、低い声で

「ひこひこひこひこひこひこひこ…」

と意味不明なことをつぶやいている。さらに恐ろしくなった
学生は、死に物狂いで走った。
 もといた部屋に戻ったときには、男の気配はもう消えてい
た。
 その後も、たびたび目撃されたらしい。
 戦闘服の男の幽霊(?)は、その奇妙なつぶやき声にちなん
で「ひこひこさん」と、呼ばれるようになった。


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