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UFO

2018/ 08/ 26
                 

アメリカの学生の話。

彼には変わった友人がいるのだそうだ。
幼馴染みなのだが、小さい頃からUFOに夢中なのだという。
聞くところによると、UFOを信じる怪しげな団体にも入っていたのだとか。

友人はその団体の情報により、彼らの住んでいる町近くの山で、UFOがよく目撃
されていたと知ったらしい。
早速、友人はUFOとコンタクトを取るために出かけた。
行動力は人一倍の友人に引き摺られる形で、彼も同行させられたのだという。

彼の親戚で樵をしている伯父さんがいたので、まずは現地調査から入ることにした。
UFOについて簡単な説明を受けた伯父さんは、事もなげに言い放った。

昔はいくらでもいたぞ、そんな物。

小躍りしそうな友人と違い、彼はその言葉が引っかかった。
いくらでも“いた”だって?

 ああ、空飛んでいたけど、あいつら間違いなく動物だったよ。
 耳障りな甲高い声で鳴いていたな。
 猟師が撃った鳥とか、時たま横取りしていたっけ。

友人と二人して、思わずポカンと口を開けてしまったそうだ。

伯父さんは構わず続けた。

 成長して大きくなるにつれ、段々と飛べなくなるみたいだったよ。
 やっぱり重くなると浮かなくなるんだろう。
 地面に落ちたやつはじたばたしていたけど、山犬や何かが咥えてどこかへ持って
 行ってしまった。多分、食べられたんだろうよ。
 さすがに人間が食ったって話は聞かないが。えらく生臭かったんでな。

見てみたいと彼が訴えると、伯父さんは遠い目をしてこう語った。

 そう言えば近頃はまったく見なくなったな・・・。
 ・・・山の中をハイウェイが通ってから、どんどん少なくなった風に思う。
 思うに連中、排ガスが苦手なんじゃないか?

彼はこのことを思い出すたび、伯父さんに担がれたのではないかという思いが
頭の中をよぎって仕方がないのだという。
友人はショックを受けたのか、しばらくしてUFO信奉団体を脱退してしまった。
その点では有意義な出来事だったけどな、と彼は言っている。

しかし、友人はいまだにUFOに取り憑かれている。
あの団体が信じられなくなっただけで、UFOを信じなくなった訳じゃない。
友人はそう言って、今日も未知との遭遇を求めているのだそうだ。



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